土地売買契約時に起こりやすいトラブルとは?
不動産の取引には大きなお金が動くため、トラブルが発生する場合もあります。
契約の内容をしっかり理解していないとのちのち大きなトラブルへと発展することもあるでしょう。
今回は、土地売買の契約時に起こりやすいトラブルについてお伝えします。
また、解決法や対策についても併せてご紹介します。
土地を売買するときの流れ
最初に、おおまかな土地売却の流れについて簡単にお伝えします。
1.まずは不動産会社を決める
一括査定サイトなどを利用し、複数の不動産会社に土地の査定をしてもらいましょう。
不動産会社にも種類があり、土地の買い取りをしている会社と仲介をメインでおこなっている会社があります。
土地の買い取りを不動産会社がおこなう場合、早く売却できるというメリットはありますが、市場価格より安くなる傾向にあります。
仲介は、不動産会社に買い手を探してもらい、買い手を見つけてくれた不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。
時間がかかっても、高く売却したいという場合には仲介をおすすめします。
2.仲介を依頼し、媒介契約を締結する
仲介を選んだ場合、仲介してくれる不動産会社と媒介契約を結び、売却価格を決定します。
不動産会社と相談しながら売却価格を決めていき、売却活動をはじめます。
3.契約成立
土地に興味を持った人と、不動産会社を介して価格や条件などの交渉をおこないます。
無事に条件が折り合えば、契約が成立します。
4.契約書の作成
売買契約が成立したら、不動産売買契約書の作成をします。
売主・買主の双方がその内容を確認し、署名・捺印したところで正式に売買契約が成立します。
5.引き渡し
売買契約が成立すると、買主側はローンの審査など、決済に向けて準備をします。
売主側は、所有権が滞りなく買主に移るよう、所有権移転登記に必要な書類などの準備をおこないます。
そして決済当日、司法書士同席のもと、所有権移転登記に必要な書類を買主側に渡すと代金が支払われます。
司法書士は決済が終了したのを確認し、法務局で所有権移転手続きを済ませ、無事に取引が終了します。
契約時に不動産仲介会社との間でよく起こるトラブルとは?
土地の売買を簡単に理解したところで、次に不動産売買で起こりやすいトラブルを見ていきましょう。
<1.仲介手数料のトラブル>
土地売買に限らず不動産仲介会社とのトラブルでよく起こるのは、仲介手数料に関するものです。
通常、不動産仲介会社に土地の売買を仲介してもらうと、仲介手数料を支払わなければなりません。
その際に、仲介手数料の計算方法や支払う時期などを決定します。
ところが、ちゃんとした説明をおこなわずに「仲介手数料の金額は法律で決まっている」などと言い、勝手に金額を決めてしまう会社もあるのです。
このような説明だけではトラブルを招く可能性があります。法律で決まっているという計算式や、その提示金額になる根拠を聞いてみましょう。誠意をもって対応してくれる仲介業者であれば、きっと納得いくまで説明してくれるはずです。
また、「仲介手数料無料!」と言いながら、「コンサルタント料」などの別項目で高額な費用を請求してくる不動産仲介会社もあります。
仲介手数料は売買契約が決まってから支払うものであって、それ以前に支払う義務は一切ありません。
<2.境界線がはっきりしない>
次によく起こるトラブルとして、「隣地との境界線がはっきりしない」というものです。
土地の境界線は、線が引かれているわけではないので、普段気にする人はあまりいないでしょう。
実際にあったトラブルの事例としては、売却しようとしている土地に隣の家が5cm程はみでていたなどといったものです。
最悪の場合、裁判にまで発展することもあります。
また、地価の高い都市部では、少しの差異でも資産価値に大きく影響することもあります。
規制が厳しいエリアでは、建築設計が大きく変わってくることもあるでしょう。
境界線がはっきりしていない土地は、買い手が遠のいてしまう可能性もあります。
隣地との境界線は、売却する前に必ず確定したほうがよいと言えるでしょう。
<3.囲い込みには注意>
売主から売却の媒介依頼された物件を、ほかの不動産仲介会社に契約させないことを「囲い込み」と言います。
たとえば、別エリアのほかの不動産仲介会社から「○○の物件の購入を検討している人がいるので、物件を案内させてほしい」と連絡があっても、「すでに申し込みが入っている」などと嘘をつき、紹介を断ります。
このように自社で物件をがっちりつかんで放さないことから、「囲い込み」と言われるようになりました。
本来、売主から仲介依頼を受けた不動産仲介会社は、売主の利益を確保するためにレインズに物件登録・情報の共有をおこない、できるだけ早く買主が見つかるよう努力しなくてはなりません。
売却の専任媒介契約を受けた不動産仲介会社が、故意に情報を公開せず、また独占することは法律で禁止されています。
専任媒介契約をする際は、「決められた期間内にレインズに物件登録をおこなうこと」が義務づけられています。
<4.地中から埋設物が出てきた>
トラブルの事例として、土地の売買契約後に工事を始めたらコンクリートガラや杭・井戸・下水道管・汚染物質・地下室・遺跡などが埋まっていたなどというケースです。
コンクリートガラや杭などは、その土地に建っていた建物の解体時に、当時の解体業者が適切な処理をおこなわずにそのまま埋めてしまった可能性があります。
地中の埋設物をそのままにしておくと、地盤の強度が弱くなり、地震の際には建物に大きな影響を与えることもあります。
建築工事をおこなう際にも、基礎工事に支障をきたす恐れがあるでしょう。
それだけでなく、浄化槽や汚染物質などが埋設されている場合だと、健康面や衛生面にも影響を及ぼしてしまいます。
また、売却後に地中に埋設物があることが発覚した場合、売主に契約不適合責任が問われることもあります。
撤去にかかる費用だけでなく、工事が中断した場合には損害賠償まで負うことになるでしょう。
地中の埋設物は、売主が撤去する義務があるため注意が必要です。
トラブルを避けるためにできることは?
仲介手数料のトラブルについては、当初からはっきりさせておきましょう。
契約時に仲介手数料の計算方法を明記してもらい、支払い時期などを決定します。
また、それ以外に余分な費用が発生しないことも、契約書内で明確にしておくと安心でしょう。
境界線の確定については、基本的に売主が測量にかかる費用を負担します。
費用は35~80万円ほどかかると言われており、その費用に差があるのは官民査定の有無によるものです。
官民査定とは、官有地(国や行政が所有する土地や道路)と民有地(民間が所有する土地)の境界を明確にすることをいい、官民査定込みの確定測量では多くの場合で費用が加算されます。
官民査定なしの確定測量をおこなう場合は、35~45万円ほどかかると言われています。
埋設物に関しては、工事開始後に発覚した場合は売主に契約不適合責任が問われることもあるので、事前に地中調査をおこなうとよいでしょう。
埋設物の調査法については大きく分けて3つあり、まずは過去の歴史資料や古地図をみて調査をおこなう「地歴調査」があります。
過去にガソリンスタンドやクリーニング店があった場合には、土壌汚染の有無を詳しく調査する必要があるでしょう。
2つめに地中レーダーなどを使用した非破壊検査です。
地歴調査でなにか埋設されている可能性がある場合、アンテナを走査することで電磁波を照射し、調査をおこないます。
3つめはボーリングによる調査です。
ボーリング調査は簡単に言えば、穴を掘って地中の調査をおこないます。
地歴調査や非破壊検査を経て、地中になにか埋設されている可能性が高い場合に実施されます。
費用はボーリング1か所につき約10~20万円かかると言われています。
まとめ
今回は土地の売買時に起こりやすいトラブルをまとめました。
土地の売買には大きなお金が動くので、さまざまなトラブルが起こります。
トラブルを未然に防ぐために、起こりやすいトラブルについて把握しておくことをおすすめします。
※いえらぶコラムより
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