なぜ日本は世界一 ヒートショックの被害者が多いの??
◆ヒートショックとは
ヒートショックとは、血圧の乱高下によって体に負担をかけてしまい、脳梗塞や心筋梗塞などの健康被害のことを言います。誰にでも起こり得る身近なショック症状です。特に高齢の人は、血圧を正常に保つ機能が低下するために、ヒートショックのリスクが高まるといわれています。近年、ヒートショックによる浴室での溺水も増加傾向にあります。
◆世界一多いヒートショックによる死亡者数
現在の日本で、ヒートショックによる年間死亡者数は約1万7000人と言われています。実は、ヒートショックが問題になっているのは世界でも日本だけなんですよ。
他の先進国では、断熱性能が悪い家でも24,25℃に設定して全館暖房しています。それに対して、日本の住宅は家全体を温めるということではなく、使用している部屋だけを暖めるため、利用していない廊下やトイレ、浴室などは外気温に左右されて室温が低い状態をヤセ我慢して暮らしているのです。これが、他の先進国に比べて、ヒートショックで亡くなる人が多い原因です。
◆世界基準でみたエコ住宅
日本以外の先進国では、全館冷暖房が基準になっています。
現在の世界基準の家は「太陽光や通風も最大限取り入れながら、かつ光熱費を最小に抑えることができる性能で作る」ことを軸にしています。具体的には、「断熱」「気密」「通風」「日射取得(採光)」「蓄熱」など建物躯体に関わる部分の強化が大切なポイントになります。
◆快適が逃げていく家
日本以外の先進国では、地球環境や国民生活を重視している傾向があるため省エネや健康対策である窓の断熱性能、U値(熱貫流率)を義務化しています。
※単位は W/(㎡・K) です。値が小さいほど熱を通しにくく、断熱性能が高いことになります。
フィンランド・・・1.0
ドイツ・・・1.3
デンマーク・・・1.5
イギリス・・・1.8
フランス・・・2.6
韓国・中国・・・2.5
定められたU値を下回る窓は禁止されています。
日本が推奨されている窓のU値(熱貫流率)
東北・北海道・・・2.3
関東・内陸・・・3.5
関東以南の地域・・・4.6
環境先進国であるドイツやフランス、そしてイギリス。みんな熱の出入りには相当うるさいのです。窓ガラスは二重、もしくは三重、断熱材で厚い壁、屋根、床。それがあたり前。実は世界的にかなり遅れをとっているのが、日本の住宅だったりします。
最後に・・・
ヒートショックを防止するには「家の中で温度差が出来るだけない状態を作る」ことがとても重要です。そして、他の先進国と同様「全館冷暖房」が体に負担の少ない環境づくりのベースになるでしょう。躯体性能をあげれば少ない光熱費で燃費の良い家づくりができるはずです。
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