なぜ省エネ住宅が求められているのか?~カーボンニュートラル~
世界の先進国の住宅性能水準と比べて日本の家はすごく低性能だということをご存じですか?
住む人の快適性だけではなく、地球環境保全のためにも、住宅性能は重要になります。
そこで今回は、住宅性能向上を国が指示した「2050年カーボンニュートラルの実現」についてのお話です。
◆2050年カーボンニュートラルの実現
「カーボンニュートラル」という言葉は聞いたこことがありますか?
現代の生活において電気の使用は不可欠であり、発電や電気の使用でのCO2排出をゼロにすることは難しいです。そこで森林などが吸収する量とのバランスによって、空気中にあるCO2を増加させないようにするという考え方が、カーボンニュートラルです。
2020年10月、菅内閣総理大臣が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。
カーボンニュートラルの実現には、家庭でのCO2削減やエネルギー消費量も重要となります。住宅も多くのエネルギーを消費しており、さらなる省エネ化や脱炭素化の取り組みが求められているのです。検討会では、2050年(長期)、2030年(中期)と逆算して段階的な省エネ対策のあるべき姿をとりまとめ、それを公表しました。
参照(参考)脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方に関するロードマップ
●2050年・・・ストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、導入が合理的な住宅・建築物において太陽光発電設備等の再生エネルギーの導入が一般的となること
●2030年・・・新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されていること
このあるべき姿に向けて、行政が具体的に動きますが、住宅に限定して私たちに影響がありそうなものをピックアップしてみました。
●ボトムアップ・・・2025年度にすべての住宅で省エネ基準の適合を義務化し、2030年までにはその基準をZEH(ゼッチ)レベルに引き上げる
●レベルアップ・・・省エネ性能のボリュームゾーンを引き上げる。ZEHなどの住宅に対する補助などの支援をしつつ、誘導基準をZEHレベルに引き上げ、長期優良住宅や低炭素建築物の認定基準などもZEHレベルに引き上げるなど、2030年までに省エネ性能の基準を引き上げる
●トップアップ・・・より高い省エネレベルを実現するために、ZEH+やLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅などの取り組みを促進する
●既存住宅・・・省エネ改修を促進する
参考:『ご注文は省エネ住宅ですか?』(建築物省エネ法特設ページ/国土交通省)
最後に...
「カーボンニュートラルの実現のために、再エネを増やすとともに省エネを徹底的に進めていく必要がある」
「住宅・建築物の省エネ対策についても最大限の対策を、最大限のスピードでやることが必須条件」と政府は語っています。
2050年のカーボンニュートラルに向けて、ますます全てのものに省エネ化が求められます。
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