建築ちょこっと雑学

玄関ドアが外開きなのは日本だけ?~建築ちょこっと雑学~

2021.09.16 建築ちょこっと雑学

玄関のドアが外開きなのは、世界を見ても日本だけのようです。

なぜなんでしょう?

まず、海外のドアが内開きであるのは防犯上の理由からだといわれています。不審者が無理やり中に入ってこようとしたとき、内開きのドアなら全体重をかけてドアを押して閉め、さらに家具を立て掛けるなどすれば、侵入を防ぐことができるからです。

では日本ではなぜ外開きなんでしょう?

日本の昔からある「靴を脱ぐ文化」が関係しています。日本では家に入る際には、玄関で靴を脱いでから中へ入る習慣があります。

そのため、玄関ドアが内開きであると脱いだ靴をせっかく揃えておいても玄関スペースで潰されたり、ぐちゃぐちゃになってしまいます。

脱いだ靴などの場所や狭い土地で玄関スペースを確保するには外開きが適していることから日本では、一般的に玄関ドアは外開きが多いといえるでしょう。 また一方で、ドアに付着した雨やホコリなどのゴミも、外開きにすることで室内への侵入を防ぐことができます。雨が続いたり台風がやってくる日本の気候からも理に適っているといえます。

ちなみに公共のホテルやオフィスビルなどは、内開きになっているようです。これは防災時に避難経路の妨げにならないよう通路側にはドアが開かないようにしているのです。ドアの開き方ひとつにも、それぞれ深い理由があるんですね。